茶道は、戦後、わが国の伝統文化の1つとして、国内はもちろん、海外にもその豊富な統合的内容が認められてきた。茶道では、スポーツやゲームに例えると点前作法がルールにあたるので点前作法を知ることによって正しい解釈ができ楽しみも生まれてくる。また、お点前の所作の中には日常の立ち居ふるまいにも結び付くものがたくさんある。ある表具屋さんの職人さんは仕事をするのに道具をいつも忘れたりして親方にしかられていたけれどお茶を始めることによって、すべてのけじめをはっきりするように教えられて道具を忘れなくなり親方もすっかり感心したという実話もある。また、ある有名なお医者さんが「病室を歩くときはお茶の歩き方が一番良い。なぜならもの静かで足音も低く第一空気の動揺が少ないので病人の体にもさわらない」と言ったという話もある。茶道は、疲れを癒し新しい活力を生み出す原動力であるといえる。