SDGs宣言

取り組み

SDGs達成に向けた中等部の取り組み

 中等部は2020年11月17日にSDGs宣言をしました。2005年に国際規格であるISO14001認証を取得するなど、これまで環境に関するさまざまな活動を行ってきました。 今後は環境に配慮する「エコ」だけでなく、環境や社会、人に対して優しい「エシカル」の観点から物事を多面的・多角的に捉えることが求められます。 社会や経済が抱えるさまざまな問題についても、こうした視点に立って幅広く取り組みをすすめていきます。
 SDGs達成に向けて、中等部は「持続可能な未来を担う人を育てる、多様性のある学びの場」を目指します。 そのためには、さまざまな活動を通じて、多くの人やものの考え方に触れ、広い視野で物事を捉えられるようになるための機会や施設をつくる必要があります。 中等部で生活し学ぶことがそのまま SDGsを体感できる、生徒や教職員にとって温もりのある明るい学校づくりをすすめます。そして、誰ひとり取り残されることのない、持続可能な社会を築くことに貢献できればと思います。

SDGs宣言

基 本 理 念

 慶應義塾の創設者福澤諭吉は『学問のすゝめ』の中で、人間の「自由・平等・権利」の尊さを説いています。また、欧米諸国を歴訪した際、政治や経済、社会の近代的な仕組みを広く見聞しました。そこで煤煙による被害などを目の当たりにし、環境保護の重要性にも着目していました。 耶馬渓の競秀峰の山々が売却されることを耳にすると、その景観を保護するために土地を少しずつ購入して開発の危機から守りました。医学・医療については病院を設立したり、伝染病研究所を支援したりするなど、衛生環境や健康の大切さを人々に働きかけました。 ちなみに、「健康」という言葉も福澤による訳語です。さらには女子教育の必要性を唱え、学校教育のあり方についても世に示しました。このように、自然や環境の保護、飢餓や貧困の無い健康的な人々の生活、男女平等の社会の実現に向けて、その先導的な役割を果たしました。
 中等部はこの創設者の先見性に学び、地球規模の環境と人間とのかかわりあいを大切にする循環型社会の発展に貢献しうる教育を行い、将来の社会の先導者たる人物の育成を目指します。慶應義塾の目的にある、躬行実践して「全社会の先導者たらんことを欲す」を現代風に言い換えると、 「持続可能な未来を担う人となるように努めなければならない」とも言えるでしょう。それはまた、「独立自尊」や「気品の泉源、智徳の模範たらんこと」など、中等部がこれまで重んじてきた義塾の教育理念を実践するものです。

基 本 方 針

  1. 地球規模及び身近な 環境・ 社会・ 経済 の諸問題 に自発的に取り組める人材 の育成を目指します。
  2. 自由の中で自己を律し、他者に対して敬意をもって接することができる生徒、そして品位と豊かな人間性を持つ生徒の育成を目指します。
  3. 教育活動の場として、自然環境に配慮した施設面の整備を行うなど、温室効果ガスの発生を抑制したカーボンニュートラル・脱炭素の実現を目指します。
  4. 中等部のあらゆる教育活動において、地球・地域環境の保全と環境負荷を軽減するため、以下の取り組みを行っていきます。そして、地球温暖化による自然災害の抑止や生物多様性の保全に努めます。

    1. (1)省資源・省エネルギー、創エネルギーの推進に努力します。FSC認証のある製品の導入(印刷用紙、ペーパータオル 、封筒、紙袋、学校案内パンフレット等)・再生紙の利用・照明人感センサー・LED照明・太陽光発電・iPad 導入・雨水の利用(貯水タンク)・エコラベル製品・空気や水のカスケード利用
    2. (2)廃棄物の分別や削減、リユースの推進に努力します。ごみの分別・エアコンの温度管理による節電・落ち葉、生ごみの堆肥化(ミミズコンポスト等)・基準服リユース・落とし物や忘れ物のリユース(衣類の寄付、傘の貸出)・ペットボトルキャップの回収・ボトル給水機(マイボトルの普及)

  5. SDGs達成に向けて、環境・社会・経済が抱えるさまざまな問題について積極的に取り組んでいきます。誰ひとり取り残されることのない、持続可能な社会の実現に貢献します。 環境講座(3年生)・各教科の課題(作文やレポート、ポスターの作成)・選択授業・ユニセフ募金・赤い羽根共同募金・中等部オリジナルのエシカルグッズ(ブランケット、ト ーバッグ、学校林の間伐材利用等)・アフリカの学校支援(給食、文房具の寄付)・男子基準服ネクタイ(リサイクルポリエステル)・女子生徒用スラックス・森づくり(学校林での植林事業)・木質化(木製ベンチ・木製教卓等)・みつばちの飼育(はちみつや蜜蝋の収穫)・バリアフリー化(スロープ、トイレ等)・RSPO認証パーム油を使用した製品(液体石けん等)・国際フェアトレード認証製品(飲料品、食料品等)
  6. 中等部のSDGsに対する理念と方針は、ホームページを通じて広く一般にも公開します。2030年以降も持続可能な社会を目指し、取り組んでまいります。
2023年 4月 

慶應義塾中等部 
部長  井上逸兵